インバウンドコールセンターでの業務経験を基に、電話応対の良い例、悪い例についてまとめてみました。
ECサイトのテクニカルサポート、ヘルプデスク業務を想定した内容になっています。
何のサービスを扱っているセンターかによって事情の違いが多少あるとは思いますが、大体のことは共通していると思います。
特に、インバウンド初心者の方などに参考になる情報かと思うので、始めたばかりの方はぜひ読んでみてください。
NG対応
- カスタマーが話しているのに被せて発言する
お客様の話しているところに横入りして話を遮ってはいけません。やられた方は腹立ちます。
- あれもこれも説明し過ぎる
知識豊富なオペレーターにありがちだけど、ありがた迷惑です。必要以上の知識を延々と話しても面倒なだけです。電話で問い合わせてくるお客様は短時間でパッと問題を解決したいと思っています。今必要のないレベルの話を詰め込む必要はありません。通話料がお客様持ちなシステムであれば尚更です。しゃべり過ぎはオペレーターのマスターベーションです。
- 確認不足のまま案内する
例えばWebサービス関連の問い合わせ対応の場合、お客様と同じ画面を確認しながら話をするべきです。同じ画面を見ずに、わかったつもりで想像のみで話をしてても、噛み合わない場合があります。
- トークのペースが合っていない
しゃべりのスピード、トーン、声の大小、テンションなどはできるだけカスタマーに合わせるべきです。そうでなければ話しづらい印象をカスタマーに与えてしまいます。
- 問い合わせ内容に自信がないまま回答する
質問されたことについて確信が持てない状態なのに曖昧なまま回答するとカスタマーの信頼を失います。わからないことは悪いことではありません。むしろ、それをきっぱり認め、きちんと確認した上で明確に案内する姿勢を示すことによって、逆にカスタマーは安心するものです。
- カスタマーの本当に知りたいことを汲み取れない
話を聞く姿勢、業務知識、集中力が足りていないとカスタマーの意図が汲み取れないことがあります。例えば、「◯◯できますか?」と質問され、その回答がNOだったとしても、単に「◯◯はできかねます」と回答して終わりではなくて、今お客様が実際にどういう問題を抱えているのかヒアリングしてあげる必要があります。どういう状況で「◯◯できますか?」という質問をしてきたのかを考えることが重要です。それによって、場合によっては代替案を提示することでき、お客様に満足いただける場合もあります。
- 専門用語の多用
社内で当たり前のように使用されている用語もカスタマーにとっては当たり前ではありません。できるだけ噛み砕いて素人にもわかりやすい表現を使うべきです。
- 難しいこともすべて口頭だけで説明完結しようとする
例えば、何かの手続きや、設定の手順など、難しいことや長くなることを口頭のみで説明するのは厳しい場合があります。電話で聞いただけでは難しい内容のときは、その内容が記載されているヘルプページへ誘導したり、メールでも回答するなどして、どこを見ればわかるのかを示してあげることも有効です。
- 保留が長い
何かを確認しているときの保留が長いと、待たされる方はイライラします。45〜60秒くらい経過したら、一度、「ただいまお調べしていますので、もう少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか。」など保留を解除してお客様に一言入れておいた方がいいです。
- 「できません」の連発
「できかねます」の一点張りは危険です。できない、できないと連発しているとカスタマーを怒らせる可能性が高まります。出来る限り、要望いただいたことをそのまま実現できない場合でも、それに近い効果が得られる代替案を提示する姿勢が非常に大切です。これがあるかないかでカスタマーの反応は全然違います。要望に応えることが全然できない場合でも、「今後の改善案として然るべき部署に報告させていただきます。」と一言入れるだけでも違います。
- カスタマーを置き去りにして話を進める
画面の操作などでお客様に確認して欲しい場所、クリックして欲しい場所等がある場合、カスタマーと同じ画面で歩幅を合わせ、一緒のペースで進めていくべきです。確認してほしい場所は明確に伝えます。「ちょっと待ってください…」と言わせてしまうようではお客様にストレスを与えてしまいます。
OK対応
- 簡潔、簡単、明瞭
お客様は貴重な時間を割いてお問い合わせされてきています。できるだけ短く簡潔な説明で理解できるよう心がけるべきです。わかりやすいのが一番です。
- 爽やか
声が明るくハキハキしている。トークのペースもお客様に合わせる。それによって電話ながら親近感や好感を抱かせることができ、話がスムーズになります。
- カスタマーの知りたいことを察して汲み取る
「このオペレーターの方は私の言いたいことをわかってくれている」と思わせるような対応がベストです。質問されたことを文字通り受け取るのではなく、お客様は今どのような問題を抱えていて、何を解決したいと思っているのかを考えながら対応する必要があります。
- カスタマー自身での問題解決能力を促進
ヘルプページの有効活用で自分で解決できる力を促進します。口頭での説明に終始するのではなく、電話で問い合わせなくても今後なるべく自分自信で解決できるよう促します。釣った魚をあげるのではなく、魚の釣り方を教えてあげるというのと似ていますね。
- 誠実な対応
不明なところを自信のないまま案内しない。曖昧な部分はしっかり確認してから正しい回答をすることで逆に信頼や満足度を高めることができます。また、保留が長引く場合は1分経過したくらいには一度「確認していますのでもう少々お待ちいただけますでしょうか」と一言入れた方がよいでしょう。
まとめ
以上、インバウンドコールセンターでの対応業務における応対について、意識するとよい点をまとめてみました。
ぜひ日々のコールセンター業務に向けて参考にしてみてください。